タバスコとかいう依存度危険指数最高水準辛味調味料

きみはタバスコという飲み物を知っているか。

 

タバスコ(Tabasco、タバスコソース)は、メキシコタバスコ州原産のキダチトウガラシの一品種チレ・タバスコ英語版(タバスコペッパー)を使った辛味調味料である。 

タバスコ - Wikipedia

 

そう、タバスコとは親友である。きみにとっても、わたしにとっても。

たとえば、こんな瞬間で日常があふれてはいないだろうか。

”タバスコを見つめていると、逆に、タバスコが私を見つめているように思えるーーー”

 

 

 

きみは、わたしと初めて出会った日のことを覚えているだろうか。

わたしはきみを初めて認識した日、決して手を出すまいと思った。赤く、流動性の低い物体が小さなワインボトルの中に鎮座している。両親がナポリタンの上から惜しげもなく、その赤い物体を振りかけた。「食ってみるか?」そう尋ねる父を、全力で拒絶した。

 

しかし、時は過ぎ去り、突如として「なんか辛いっぽいもの」と受け入れることができ、ピッツァに振りかけられる赤っぽい液体には抵抗がなくなった。きみの知り合いの、みどりっぽいものにはまだ抵抗があったけど。いつの間にか、ミートソースにも、ミラノ風ドリアにも、きみの存在は欠かせなくなった。「お父さん、タバスコは?」なんていう会話も自然に流れていく。きみの存在は、もう、家族以上だ。

 

そしていつだか、わたしにも、独り立ちをする日が来た。めまぐるしい毎日の中で、生姜焼きだの、親子丼だの、絶妙に手間がかかりそうでかからない自炊ばかりしている。チャーハンだの、明太子パスタだの、毎日、毎日、作り続けていると母の偉大さを感じるようだ。

ところで、余計な話をするならば、わたしはピッツァが大好物である。いつも金曜日には、ピッツァを飲みながらコーラを飲むような多幸感に浸っている。そして、ピッツァのそばには、そう、いつもきみがいる。ピッツァとタバスコ、ぐりとぐら、と呼ぶにふさわしいコンビネーションにいつか、わたしは、恋をした。

いつもテーブルにはきみが鎮座している。少しずつ、身をすり減らしながら、わたしに幸せを届けてくれるきみがいる。気がつくとピッツアの他にも、カレーライス、納豆、餃子、と和洋中華問わずきみが介入してくる。正直わたしは、料理にタバスコのアクセントを加えているのか、タバスコを食べたいがために料理をするのか、わからなくなってきた。

 

もう、きみ中心の人生なんだ。